電気でぶ猫のつぶやき

電力系統を中心に,電気関係の記事や,電験などの電気関係の資格の話などをやさしくつぶやきます。

電力系統ってどんなもの?【発電所,変電所から需要家まで】

 みなさん,こんにちは。電気でぶ猫のラルフ0です。今回はとてもラフにですが,電力系統とはどんなものかについてつぶやこうと思います。

電力系統とは

 みなさん,生活の中で電気(電力)を使われますよね。それで発電所で電力が作られることはご承知されていると思うけど,それから先,どんなふうに電力が送られてくるのか,専門家でない方の場合,割とご存知ないのではないでしょうか?

 発電所で作られた電力は,送電線を通り,いくつかの変電所で電圧を下げながら,配電線を経て負荷(電力を使用する機器)まで到達します。このような発電,送電,変電,配電,そして負荷および給電指令所などの制御所をひっくるめてシステム(系統)とみなし,電力系統と呼びます。

 以下に,電力系統とその電力の流れについて,少し詳しく見ていきましょう。

発電所

 発電所では,発電機によって電力が作られます。発電機はタービンや水車などの原動機と呼ばれる機器が生み出す力学的な回転エネルギーを,電気的なエネルギーに変換します。

 発電機の端子電圧は20kV前後のものが多いのですが,主変圧器と呼ばれる巻数比が非常に大きい変圧器によって,500kVや275kVに昇圧されます(この電圧は電力会社によって,少しずつ異なっています)。

 これは電力が一定であれば,電圧が高い方が流れる電流が小さくなり,ジュール熱による損失が小さくなるためです。

送電線,変電所

 500kVや275kVといった超高圧送電線で,発電所で作られた電力が送電されていきます。しかし,このままの電圧では高すぎて負荷が利用できませんので(※1),途中の変電所で電圧を154kV,66kVと降圧しながら(この電圧は電力会社によって,少しずつ異なっています),電力が分配されていきます。大規模な工場や鉄道など大電力を使用する負荷はこのあたりの電圧で連系して電力を使用します。

※1:非常に大規模な負荷は275kV系統に連系する場合があります。

配電系統

  電気を使う人を(法人も含めて)需要家と呼びます。みなさんも一般需要家の一人です。需要家のすぐそばまで電力を運ぶ系統を配電系統と呼びます。設備でいうと配電用変電所から先の系統になります。配電系統における送電線を特に配電線と呼んでいます。22kVの配電線もありますが,多くは6.6kV=6600Vの線になります。

 今では,地中ケーブル化されているところも増えていますが,みなさんの家の近くにある電柱がその6600Vの配電線です。その電柱の上に,(言葉が悪いですが)ゴミバケツのような形の柱上変圧器というものが載っています(全部の電柱にあるわけではありません。何本かおきにあります)。

 この柱上変圧器によって,みなさんの御家庭に100Vおよび200Vで,電力が供給されているわけです。

補足

 この記事では,だいぶ端折って電力系統と電力送電される経路について説明しました。

 今後の記事で,電力系統を構成する要素について,もう少し詳しく説明する予定です。そこでは今回端折ってしまった給電指令所や開閉所,変換所と直流送電等の話を含めて展開しようと思います。少しお待ちいただければ幸いです。

 

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