【電力系統】発電所(6)【水力発電所その4】
こんにちは。電気でぶ猫のラルフ0です。
水力発電所の話が長くなりましたが,今回でいったん終わりです。中途半端な部分が残っているので,今回の記事は短めです。
水力発電機の回転速度
前にも述べたように,回転子の機械的な回転角速度ωr,電機子の電流が作る磁束の回転角速度(電気角速度ともいいます)ω,回転子の電磁石の極対数(NS極のペアの数)Pの間には,ωr=ω/Pの関係があります。
火力発電機の場合には,高速回転が可能なので,P=1としているのでした。
しかし,水力発電機の場合は,水車で生じるキャビテーション等の関係から,あまり高速で回転させることができないのでした。そこで,水力発電機の場合は,Pを大きくして対処しています。P=5とか大きいものではP=20くらいのもあるみたいです。
50Hzの系統で,1分間における回転数で見てみると,P=5では,3000/5=600回転/分,P=20では,3000/20=150回転となります。なお,この3000という数字は,50回/秒×60秒から計算されたものです。50回/秒というのはもちろん50Hzのことです。なお、60Hzでは3600になります。
また,火力発電機は高速回転することから,回転子が細長い円筒型という形状をしているわけですが,水力発電機の場合は,磁極の数を多くしやすいように,巻線が巻かれるコアの部分が半径方向に飛び出している突極型というタイプが用いられています。
電力と電力量
突然ですが,これまでの記事で,電力量という言葉をちゃんと説明しないで使ってきてしまったので,少しここで補足しておきます。
ある有効電力をある時間使ったとき,もしくはある有効電力をある時間発電したときのエネルギーを電力量といいます。有効電力の単位はW(ワット)で,これはJ/s(ジュール/秒)ですから,時間の単位として秒を使えば,電力量の単位はJ/s×s=Jとなって,確かにエネルギーもしくは仕事であることがわかります。
しかし,電力量の時間の単位としては,h(時間,1時間の時間ですね。hourのhです)が用いられます。有効電力の方もkW(キロワット)やMW(メガワット)が用いられます。すると電力量の単位としては,kWh(キロワットアワーもしくはキロワット時),MWh(メガワットアワーもしくはメガワット時)となります。
例えば,500kWの有効電力を12時間使った時の電力量は,500kW×12h=6000kWhとなるわけです。