電気でぶ猫のつぶやき

電力系統を中心に,電気関係の記事や,電験などの電気関係の資格の話などをやさしくつぶやきます。

【資格試験】電験三種の勉強(2)【理論】

 こんにちは。電気でぶ猫のラルフ0です。

 前回は電験三種の試験科目等について概略を述べました。今回は,いよいよ合格するためにどんな勉強が必要か,といったところを語りたいのですが,ちょっとその前に――。

科目毎の難易度

 理論,電力,機械,法規のうち,難しいのはどれか? どんな順番で難易度が高いのか? ということです。

 これはいろいろな意見があるようだし,受験する人のバックグラウンドによっても変わってきます。

 この前,ぱらぱらとネットをみていたら,「法規,機械,理論,電力」の順で難しいという記述を見ました。これはこれで「なるほどね」と思わせるものがあります。しかし,ラルフ0の意見としては,最も平均的なバックグラウンドを考えた場合は,「理論,法規,機械,電力」の順ではないかと思います。数学大好き,計算大得意,といった一部の人を除くと,計算問題が多い理論はやはり難関です。ほとんどが計算問題ですから。

 法規は,慣れない法律の内容をある程度咀嚼して覚えなければならないことと,計算問題も対象が他の科目と趣が違うのです。そういう意味ではやっかいです。

 ちなみに,大学とかで物理学を専攻した経験があると,順番が変わって「法規,機械,電力,理論」となりますね。物理関係の人は,電磁気学は必修ですから,相当鍛えられています。電験三種レベルの理論は,そういった人にはかなりおいしい科目になります。かくいうラルフ0がそうだったんですけどね。もっとも年月がたってしまった今ではそこまで自信はありません。

理論の勉強

  まず,理論に限らず他の科目も同様なのですが,勉強の中心になるのは「過去問を解くこと」です。ある意味身も蓋もないんですけど。

 学校での勉強では,まず教科書を勉強して,仕上げに演習問題を解く,という流れが多かったと思うのですが,資格取得のための勉強としては,それはあまり効率がよろしくないです。

 バックグラウンドとして,電験に出るような項目をまったく勉強したことがないという人であれば,少し話が違うのですが,電験を受験しようという多くの人は,多かれ少なかれ電験に出るような項目に触れたことがあると思われます。だとすれば,まず過去問にあたってみて,自分が何ができて何ができないかを知ることが早道です。

 また,過去問の類題が出題されることが多いことも電験のみならず,多くの資格試験に共通する特徴です。その意味からも過去問を研究することは非常に重要なのです。

 ですから,勉強の方法としては,まず過去問を解いてみる。答え合わせをするとともに,過去問集には必ずといってよいほど解説が載っていますから,解説を読む。それで理解できればまずその問題はOKで,最初に解いたときに間違った,あるいはわからなかったのであれば,もう一度解いてみる。そして解説をを読んでわからなかったときに,はじめて教科書や専門書を読むのです。教科書や専門書はあくまでサブテキストであり,メインは過去問集です。

 で,過去問集を可能であれば3周もすれば,合格に十二分な実力がついているはすです。

 過去問集とはいってもそのものずばり,過去問を年代順に集めたものもあれば,過去問を材料に項目ごとに編集しなおしてテキストにしているものもあります。例えば,

 

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などがありますね。これ,どちらのタイプがよいかというと,科目別に分かれている方が解説が詳しくてよいという意見も聞きますが,ラルフ0はどちらも状況によってありだと思います。ある程度バックグラウンドが豊富で試験勉強に掛けられる時間が少ない場合など,科目別でないタイプを選択するのもありだと考えます。

 さてメインテキストの解説だけではよくわからないとか納得がいかないとか(これ,人によっては本当に気持ちが悪い状態だと思います),そういったときはサブテキスト――教科書や参考書をあたらなければならないわけですが,理論の場合どんなものがあるでしょうか。

 まずは電磁気学ですが,次の本がよいと思います。

 

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  電験三種は大学レベルの知識は必要としないので,大学初学年向きのこのテキストはややレベルが高いかもしれませんが,たいへん丁寧に説明してあるので,読めないということはないと思います。

 次に回路理論ですが,次の本がよいでしょう。

 

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 交流理論といいつつ,直流から話が始まります。説明は丁寧で置いてけぼりにされるようなことはないと思われます。

 測定に関しては,電験三種という視点から見ると,なかなかよい本がありません。ある意味電験の過去問集がいちばんよいかもしれない。ここではサブテキストを紹介しているのですから,それでは答えにならないのかもしれませんが,電験の過去問の開設からサブノートを作って,そのサブノートがいちばんのサブテキストになるかと思います。

 半導体に関しても,いろいろな視点からずいぶんたくさんの本が出ていて,なかなかこれっという本を指定しにくいのですが,かろうじて次の本がよいのではないかと思います。

 

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 理論に関して最後にですが,理論ってある意味電験の基礎です。まずは理論をきちっと勉強しておくと,他の科目にある程度ですけど,応用が効くんです。後の記事で述べるように,理論の勉強が電力の問題に適用できたり,機械を理解しやくしたりします。また,電力における知識が法規に効いたりもします。そう考えると理論がすべての科目のベースに位置していることがわかります。

 それでは今回はこのあたりで。次回は「電力の勉強」からですね。